・ 買ひ迷う十年日記夕暮れて
作者の心象風景。夕暮れてがいいね。迷いがでている
「ten years diary」迷うことなく買うべし。
わたしはいま五年目の最後の数日をつけている。1日分たった三行、寝る前に布団で書く。あと五年つけると73才になる。そ のあと20年日記に挑戦したい(笑)
・ 年忘れ百の話題を散らしけり
散らしけりがわかったようなわからんような
今年の話題を特集しているテレビでもみているのかね
・ すべり込む新幹線や冬木の芽
なんとなく新青森着の話題の新幹線を想起した。
冬木の芽がつかず離れず一句をひきしめた。
新函館、新札幌にもそのうち走ることだろう。
・ 風呂吹きやゆるりと出汁の染込んで
これは師走のじつにいい句だなあ。
終日、大掃除に精を出した晩、大根にだし汁がじっくりとしみこんだのをユズ味噌で食べる。むろん日本酒がいい。
風呂吹きを一瞬、仁ちゃんちはまだ五右衛門風呂で下から竹でふうふう吹いているのかと思ってしまった。恥ずかしい。
猫跨ぎさんが歳時記を読みなさいというので開いたら、こんな句があった
風呂吹の一きれづつや四十人 正岡子規
・ 逆さまに話し詰込み冬帽子
話し詰込みがわかんない。俳句は解釈せずにそのまんま味わえというのだが…
・ 水中の熊の目細くなりにけり
面白いことに気づくひとだ。
白クマか黒クマか。大自然の激流に鮭を追って飛び込むヒグマか、動物園の景か
・ 氷切る星の産るる欠片かな
想像画。アートスペースだね。
・ 寒に入る律儀な人の減りゆきて
現代の寒々とした風景。説教臭があるのが難点
・ 吸入器汽笛鳴らして寒の空
吸入器の実在感。寒の乾いた空気、吸入器の蒸気の対照の妙。
特選
・ 骨壷の蓋閉じられてしずり雪
合掌するのみ
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