50㍍の地球史、大田皇女などの面白い話題にわってはいるようだが・・・・・
松本清張『点と線』がでたのが昭和33年で高校1年生のときだった。
きょうの日曜日、ひょいと読み出したら面白くてやめられず、一気に読んでしまった。社会派推理小説時代の幕開けになった有名な作品なので自分では読んだと思っていたが、どうも読んでなかったのではないか。まったく記憶なんていいかげんなものだ。
青函連絡船にのる場面で、「船までの長いホームを旅客はいい席を取るために、気ちがいのように競争していた…」とあった。小生がはじめて北海道に行ったのは昭和36年であったが、青森で桟橋までみんな走るのでつられて走ったが、摩周丸は大きな船で船室はたっぷり余裕があったので、何でこんなに走るんだろうと思ったものだ。たぶん終戦後の混乱期の習慣が残っていたのではなかろうか。(いま函館港に係留されている摩周丸は二代目かもしれない。)
さらに「急行まりも」で函館から札幌まで五時間とあったが、当時はそんなにかかったのか。
刑事が容疑者のアリバイをくずすのに列車で博多や札幌にいったりするのだが、列車時刻表と首っ引きでさんざん頭を悩ました末に階段で足を滑らせたとたんに「あっ、と危うく叫ぶところだった。どうして今までこれに気がつかなかったのか。耳が鳴った」とはじめて列車でなく飛行機に気づくのである。
すぐ刑事が日本航空の時刻表を繰ると東京13:00 ⇒札幌16:00(503便)とある。
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そうか。あのころは飛行機に乗るなんて今、パリやローマに遊びにいくよりもはるかに贅沢だったのだなあ。東京、千歳が三時間かかっているから無論、プロペラ機であろう。
『点と線』 はなんともなつかしい推理小説の傑作である。
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