2010年12月2日木曜日

客員は右へ。組員は左へ・・・・・褌子

   今度の台湾旅行ほど、人間と言葉というものについて思索をめぐらせたことはなかった。
  というのは、中国残留日本人孤児の夫婦(夫ないし妻が中国人)が七組参加するなど全員が中国語を話す人ばかりで、旅行中、中国語をシャワーのように浴びつづけたが、全く何をいっているのかわからなかった。台湾人ガイドも、バスの中でずっと北京語で話していた。(中国東北部で育った彼らに、台湾語は全く通じない) やさしい女性ガイドさんが「すみません。中国語ばかりで…」とたまに心配して日本語で話しかけてくれたが、私は私でけっこう音楽をきくように中国語のリズムを楽しんでいたのである。
  残留孤児(70才近くても孤児といわれている)たちはだいたい五〇才を過ぎてから祖国に帰ってきているので、日本語がほとんど身につかない。日本語は(いろんな言い換えがあって)、実に難しいそうだ。そこで日本に帰っても夫婦の会話はぜんぶ中国語、外でも中国語が話せる孤児どうしで群れをなしてしまう。いっぽう中国で生まれた子供たちでも、中国語で考えながら結構日本語を話せる。そして孫の世代は当然日本語100%である。
  台湾人ガイドは、日本に留学したことがあるので日本語がはなせるが、中国語と英語は構成が似ていて、中国人は日本語より英語の方が早く身につくと言っていた。
  英語と中国語は見た感じが対極にあるとおもっていたが、主語、述語の順番は似ているんだそうだ。
  台湾のホテルのパソコンを借りて、horohorokaiに投稿しようと思ったら日本語への切り替えができないので、ローマ字で投稿する羽目になってしまった。来年あたりは私も垢抜けた英文で本欄に投稿できるようになっているかも…
  帰途、台北空港で搭乗するときに矢印で「←組員  客員→」とあるのでギョッとしたが、組員はCREWのことだと知って安心した。ちなみに中国語で「空巣老人」とは独居老人のことである。
  なお、スチュワーデスstewardessの日本語訳はむろん「とびしょく」。飛び職。
  【上の写真・台湾出身の大人・宋さんは奥さんが日本人孤児】【下の写真・台北の花博の会場で「美の競演館」もこんな風に書く】

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