さてぐっと地味な話で恐縮だが、78万年前の地磁気逆転期の地層が、市原市の奧の養老川の崖に露出しているというので朝早く起きて見に行った。
現場は市原市の田淵という集落近くの竹藪をおりたところの一見、何の変哲もない川っぷちであった。78万年前というと第4紀更新世の前期と中期の境にあたり、ちょうど地磁気が逆転している時期なのである。
いまのところ、地球上でみつかっている露頭はイタリアとここ市原市田淵だけだという。地質年代の境目にあることが一番明確にわかる場所(世界模式地)として地層の境にゴールデンスパイクが打ち込まれるのであるが、現在、イタリアと市原市のここのどっちが国際地質科学連合に選ばれるか競っているのだそうだ。
付近には紅葉の名所、養老渓谷があって観光客の車で混雑していたが、この78万年間の露頭は世界の地質学者や地磁気研究者がときたま訪れるだけで川音だけが静かにこだましていた。
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