昨日の昼の驟雨から空気が入れ替わったみたいで、今日は朝から涼しい。夏も終わりだね。
・終戦日叔父のサーベル持て余す
・薬莢の六角形や終戦日
この六角形の薬莢は旧日本軍のものだろうか。そういえば子供の頃、家には戦争の遺物がなにかしら転がっていたような気がする。それにしてもサーベルは穏やかでない。これはなかなか風化はしないね。
・放射能夏の俳句を押しやりて
まあ実感だね。
考えて見れば、東日本大震災や原発事故、放射能汚染などの一生に一度あるかないかの経験が作句にいささかの影響も与えないとしたら俳句などその人にとって何ほどの意味があるのかと思う。しかし言うは易く行うは、はなはだ難しい。「夏の俳句」はいいとして、この主題は無季でもいいのかもしれない。
・晩鐘の海に潜りて星月夜
・海の色気怠さ抜けて夏解かな
晩鐘が海へ潜るという独特の感覚。星月夜と響き合うということか。諦観の感じが濃いね。
夏解とは初めてだけど、夏終ると解した。
・眉唾の怪しい話蚯蚓鳴く
まあそうだ。そんな話が多い。
・紙手裏剣残し帰省子飛び去りぬ
我が家でも五歳児と二歳児が切れ目なしの運動会を繰り広げ去っていった。これで年頃になると、いっぱし無口を決め込むんだからなあ。
「八月や六日九日十五日」
八月にもの思うこと多しということか。全部一括りにして17音に纏めた工夫を軽いと見るか、せいぜい俳句はそんなものと諒とするかは見る人の判断だろうね。しかしこれも風化の一つかというのが私の感想。
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