2011年11月28日月曜日

菊がきれいだ・・・猫跨ぎ

  寒くなって一段と清楚な美しさが目立つ菊。ところで菊の「きく」は音訓のどちらか判りますかな。正解は音読み。訓読みはなし。ということは、中国でもキクと発音しており、これは彼の国からの渡来植物であることが判る。唐代に交配により華やかな栽培種が作られ、それが奈良時代に日本にもたらされた。日本固有の野菊は二十種ほどあるが、カワラヨモギなどと呼ばれ、勿論、渡来の栽培種の菊とは違うものである。
菊を詠った歌は万葉集には一首もない。菊が普及するのは平安時代になってからで、以後日本で著しい品種改良を見た。重陽の節句に菊酒と称し、菊の花びらを盃に浮かべて飲む風流な習慣もそのころからである。菊と言えば皇室の紋章であるが、あれは本来、延暦寺の紋章であり、皇室に一時貸しているとお寺では言っているらしいが、真偽のほどは判らない。

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