2011年11月22日火曜日

胸像・・・猫跨ぎ

  人の悪口をまた言うのはどうもと思うがこの際いいか。読売本社に渡辺恒雄の胸像があると聞いた。生前に像を建てるのはオーナー経営で特に中小企業ではままあるが、いやしくも日本を代表する新聞社で、彼はサラリーマン経営者だ。きっと太鼓持ちが発案し、そうかそうかと相好を崩して了解したのだろう。すさまじい権力闘争を勝ち抜いて登りつめ、反対派を次々に排除していった先の醜悪な姿がそこにある。こういう人物が現役の主筆だ。社員は一体どう思っているのだろう。ジャーナリストはこういう形をもっとも厭わしく思うのではないかな。
  ついでに、句碑について。景勝の地に最近目立つようになった。芭蕉、蕪村ならまだしも、多くの人には全く無縁の人物の俳句だ。皆が皆俳句をたしなむわけではないのに、これは景観を邪魔する一種の公害だと思う。近代ではせいぜい正岡子規、高浜虚子までだろうが、なんと現役の俳人の句碑が続々と立つ。いつかNHKのラジオ深夜便で講師をやっていた某俳人が「私の十個目の句碑が出来まして」と悦に入っていたが、馬鹿じゃないかと思った。下品さが馬脚を現した。まず恥ずかしくないのだろうか。
飯田蛇笏は自分の句碑は作るなと言い残したという。さすがである。

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