2011年12月13日火曜日

函館通信164・・・寿命とは・・・仁兵衛

 猫跨ぎさんの今回の六句特別に高い鑑賞に値するね。どれをとっても柔軟で伸び伸びしていて感じが多くの人に好感を持たれるのではないかと思う。

 さて義母が今年二度目の救急入院した。88歳をこえてペースメーカーの入った心臓が少し耐えられなくなったのか血圧と脈拍が異常に上がったためだ。5月の入院は脳梗塞だったのだが今回は別の要因だ。医者が言うには心臓の周りに水が溜まっておりこれを抜けば少しは楽になる可能性はあるとの事。しかしその処置のとき脳梗塞の抑制する薬の投与が出来ないのでそちらのほうに影響が出るかもしれないそうだ。本人の意識は弱弱しいが少し喋れるしまだ私を識別できるだけぐらいはある。
 こう言う状態の人は沢山いるのだろうな。医者からは何か異常が更に進んだら人工呼吸器を付けるのか否か血縁者で相談をして明日までに結論を出せといわれてしまった。人の寿命とはどう考えたらいいのか突きつけられているのかな。ぴんぴんころりのリズムにはとても遠い話である。

 函館は根雪にまであと一歩の所まで来ている。緑が無くなってななかまどの赤い実ばかりが目立つ。そんなに綺麗でもないのに健気なものだ。雪催いという季語がぴったりの空模様が続いているがどちらかというと人を憂うつにしがちだ。そんなこれやで近作十句。

  ブータンの国王の礼年惜しむ
  中押しの黒で決まりて雪の峰
  朔風や人見知りする男の子
  神の留守鉄道好きな父子のゐて
  王将の穴熊に入り去年今年
  割下のぐつぐつ騒ぐ冬の空
  金箔のひらひらひらと池涸るる
  湯豆腐や一つ一つに愚知のあり
  檻の口開けたるままに雪の声
  百円玉缶に音して根深葱


 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿