きのうは関東地方はものすごい風で畑の土煙がもうもう。花粉症のひとが泣いていた。
今朝は一転して静かに春雨が降っている。
・・・・
・啓蟄や足元灯の消し忘れ
日常の時間のゆっくりとした流れを感じる。
・日本語の上手な力士雪解かな
モンゴルの力士の顔をみて上手な日本語を聞く。
我々とおなじモンゴロイドなんだなあ。
しかし、その表情のむこうにモンゴル大草原の空、雲もみえてくるから不思議。
・縦横に囀りありて長屋門
囀とは面白い傑作ともいえる漢字だ。
どっしりとした長屋門とぴいちくぱあちく。
・素手で取る市電の切符春の雨
春がきましたなあ。やっと
・行李から次つぎに出る春の雲
玉手箱からは開けてびっくり白い煙がでてきたが
・空の色もらったばかり犬ふぐり
あんな可憐な花が「犬のふぐり」オオイヌノフグリ
明治初期の帰化植物らしい。誰がこんなけったいな命名をしたのかね。
・旋律は八分音符で水温む
音楽にうといので八分音符がどういうものかわからぬが、水温むとの取り合わせ
が何ともいい。特選
・白椿お百度回りあと十回
藤沢周平の小説の雰囲気。「生きて生きぬいて帰ってくるのよ。きっとよ」
・笈摺や夭夭灼灼桃の花
古雅ないい味がある秀句。笈摺も字引ひいた。笈とは安宅の関で弁慶がしょっている。夭夭灼灼。逸徳さんは五本さんの結婚式で夭夭灼灼たる桃のような花嫁と持ち上げたんだね。さすがだ。調べると中国最古の詩集詩経に出ているんだそうだね。また利口になってしまった。仁ちゃん、逸徳さんありがとう。
・ぽたぽたと紙で濾されて山笑う
コーヒーでも淹れてるのかな
確実にあとちょっとで函館山も全山新緑につつまれる。
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