2013年3月15日金曜日

函館通信203・・・猫跨ぎ句鑑賞・・・仁兵衛

 相変わらず猫跨ぎさんの句には唸らされる。取合せの妙といえば薄っぺらな評にしかならないがその中でも二物の噛みあわせがせ少しずつ変化していて面白い。私なりに分類してみた。
 二物がいい距離にあって面白いもの。
・書架ひとつ空つぽにしてセロリ噛む  
・歩兵軍曹吉田某の碑いぬふぐり ・・・ その中でも最も気に入りました。
・鶯や硬貨嵌めたる爺の耳     ・・・ 面白さではこっちの方が上かな。
・春めくや万能ナイフ使はざる
・春陰や釘箱にある歩数計
 次に二物が少し近寄ってわかり易いもの。
・靴箱の暗がりにある余寒かな   ・・・ 良く判りすぎるかな。
・梅林を出で顔のなき街歩く     ・・・ 顔のなき街が決め手になっている。
・薄氷の一つを除けて手水かな
・線描の子規のへちまの日永かな
 最も解りにくかったもの。
・風光る嬰に小さき盆の窪      ・・・特に嬰の解釈が出来ない。



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