2013年3月13日水曜日

函館通信202・・・雪解け・・・仁兵衛

 函館も何回目かの真冬日を抜け出し雨が降っている。暴風雪で道内9人も犠牲者が出てしまったのは僅か10日前である。今日は独逸やフランス等欧州で大雪になっているそうだが上空の風の流れによって地球の天候が変化するのも面白いともいえる。と言っても歩道脇に積もった汚れた雪が融けて今度は車道が川になっている情景は句材にもならない。緑や曇っていて色彩が無いのも人を余計気が滅入らせてしまうのかも知れない。散歩をしている人を見ても何か必死に義務を遂行しているようにさえ見えて来る。更に、今年の北海道は雪が多く何処の地域でも除排雪費用が予算をオーバーし悲鳴を上げている。人が減ってきて税収入も少なくなるばかりというのにな。
 福岡で櫻開花宣言が出たそうだが北海道ではこの3月から4月半ば過ぎまでが本当に長い春待ち時期といえるのだろう。季語を探しても上手く当てはまるものが極端に少ない。ついついやってきても無い春の季語を使いたくなってしまう。こんな言い訳をしながらそっと十句書き添えました。

・ 啓蟄や足元灯の消し忘れ
・ 日本語の上手な力士雪解かな
・ 縦横に囀りありて長屋門
・ 素手で取る市電の切符春の雨
・ 行李から次つぎに出る春の雲
・ 空の色もらったばかり犬ふぐり
・ 旋律は八分音符で水温む
・ 白椿お百度回りあと十回
・ 笈摺や夭夭灼灼桃の花
・ ぽたぽたと紙で濾されて山笑う

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