北海道の今年の冬はなかなか明けないみたいだね。ブリザートのホワイトアウトのさなか、人家近くで斃れた人のニュースには粛然とする。娘を抱いて亡くなった父親の話は涙を禁じ得ない。
雪解けのころ、道端に顔を覗かせる雑草の緑の新鮮さといったらないね。今でも生き生きと思い出す。そんな話を聞くと、こちらの薄氷(うすらい)などの話は恥ずかしいくらいだ。もう少し頑張って欲しい。
・啓蟄や足元灯の消し忘れ
昼になって、寝室か廊下の足元灯の消し忘れに気付いたということであろう。長い冬であるが、時節はいつの間にか啓蟄である。
・日本語の上手な力士雪解かな
もう大阪場所が始まった。野球はWBCで沸いているが、相撲はとっくに国際化は先行している。本場所はWSC(S:相撲)というべきか。それにしても蒙古出身の力士の日本語は上手い。
・縦横に囀りありて長屋門
長屋門は北海道にもあるのかなと思ったり。
・素手で取る市電の切符春の雨
普通は手袋はめて?そうだったかな。
・行李から次つぎに出る春の雲
押し入れの奥にある行李を出して開けると、春に絡んだ多くのものが思い出と共に続々と。
・空の色もらったばかり犬ふぐり
気が付くと道端の空き地に犬ふぐり。春の空の息吹を貰ったかのような。
・旋律は八分音符で水温む
八分音符か。速い旋律のせせらぎか。春が待ち遠しいね。オリジナリティに特選。
・白椿お百度回りあと十回
白い椿に切なる祈願の楚々とした女性を思わせる。同時に春の訪れをひたすら願っているのだろうか。
・笈摺や夭夭灼灼桃の花
むずかしいね。笈摺は巡礼の着る羽織のようなものか。夭夭灼灼は元気で輝かしい様か。謡曲のかなんかの一節かな。
・ぽたぽたと紙で濾されて山笑う
そうとうに心象的。雪解けのしたたりをイメージしたのだろう。
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