i-Pad mini を買って、小説を読んでみた。
青空文庫という50年以上たって著作権が切れたものを無料でダウンロードして読むことができるのである。
画面上に本棚があって、そこに読んだことがない宮沢賢治の作品や萩原朔太郎、中原中也詩集など次々と並べた。最初に、音声をだして朗読させてみたのは芥川の『蜘蛛の糸』 なかなか落ち着いたきれいな女性の声である。視覚障害の方などに重宝されること間違いない。『蜘蛛の糸』は中学生のころ国語の教科書で読んだ記憶がある。さらに『河童』を読んでみた。母親のおなかのなかの赤ん坊に父親が「おーい。この世に生まれてくる気があるかあ?」と聞いてから出産させたり流産させたり。 i-Padでなくminiのほうなので重くもなく、文庫本よりも大きな活字でくっきりと読みやすい。ぱらりとめくったり栞もさせる。
いま太宰治の長編『津軽』をi-Pad miniで読み終えるところ。『津軽』が太宰の代表作だというひとがいる。『人間失格』や『斜陽』など太宰作品は麻酔作用があり、若い頃から遠ざけてきたが、『津軽』は文句なしに面白い。太宰の生まれた本州最北端の津軽地方をためつすがめつ語っている。含羞と笑い、茶目っ気たっぷりの文章を書いたこの人が39才でスキャンダラスな情死をとげたのか…。『津軽』のどこにもそんな予感を与える箇所がないと思った。
逸徳さん。貴兄との五能線の旅、『津軽』を読んでからでかければよかったと思っています。
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