猫跨ぎさんも難しい問題をだすねー。あまり深く考えても纏まった意見にはならないと思うよ。
函館地区といった狭い所だけでも三十以上の句会がひしめいており各句会が夫々なけなしの主張を掲げて句作に取り組んでいるのが現状だ。中央の師系に通じる句会あり、地方色豊かな句会、仲良し句会と色々ある処がかえって私には面白く感じられる。
さて、猫跨ぎさんが挙げた句だが、
あといふこゑがふるへて春の底に○(まる)・・・素直に最後の○で何かを格好付けたいのだろうが成功していない。
じきに死ぬくらげをどりながら上陸・・・岸壁の釣りをしてれば具象イメージは相当湧くんじゃないかな。中七下五のつながりはわざとだらしなさで表現したのだろうか。ここが気に喰わない。
空に置き去りの蹄鉄梅咲いて・・・牛か 馬の放牧地を連想させる景のイメージが自然に湧くよ。但し景だけで心象はどうだろうか。
藍甕のほとり騎乗し恋愛し・・・藍甕のほとりとは危なっかしいイメージだね。乗馬している女性のきりりとした姿に惚れてしまったのかな。危うい恋愛の始まりかも・・・。
といった勝手な解釈が出来てしまった。中村氏の評論のように
「・・・それを読むことで、自分の内部のもやもやとした未知の領域に触れてくる感覚を持てたなら、読者は充分にその作品を享受し、楽しんだことになるのである。・・・作品を作ることによって、自分自身の内部にある未知の部分を少しでも照らし出すことができれば、それだけで充分満足なのである。」
と、私は楽しむことにしよう。提起された俳句論を横で思いながらそっと十句。
・ 餅花や客間の猫の大あくび
・ 風邪引きや漢方薬の大袋
・ 路地裏で冗談一つ春一番
・ 地の声の押し込まれてや雪捨場
・ ロボットの関節動作春近し
・ 手の内のハートのエース日脚伸ぶ
・ ワイパーに敬礼されて大氷柱
・ 心得に捨鞭ありて寒明ける
・ 昨日から一里一尺寒鴉
・ 丸めたり引き伸ばしたり寒の空
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