春はまだ遠いなあ。 散歩にでた。前にも書いたが上半身の運動をと思って、ウォーキングポールをつかっている。そうすると、歩くテンポがどうしても速歩になってしまう。近くの川にきている鴨の群れが、寒いのかみんな水から上がって、川岸のブロックの上にずらっととまっていた。オレンジ色の足がなんだか痛々しそうである。川を離れ東名高速をくぐってあまり人の通らない農道をいく。 隠れ宿ではなく隠れ散歩道である。茶畑の緑はあいかわらずだが、真っ白なお茶の花がかれかけてあちこちに散見される。雑木林はすっかり冬木立。 そこで一句。
わがおもい 遂に羽化せず 冬木立
あるいていくと、小さな保育園がある。花がすきな園長だろうか あちこちにいろんな花が。どこかで喧嘩したらしく、元気な泣き声と、先生のあやす声が聞こえた。 おうおう喧嘩はいい。喧嘩して悔しくで号泣なんて、もうじきできなくなるんだから、思いっきり泣きなさい。おいらには、お前さんたちの泣き声がひばりの声のように聞こえるんだ。そこで一句
みどりごの のばす手の先 冬椿・・・・実景
みどりごの 目の中の蒼空 椿咲く・・・・考えすぎ
うたうよう なく子もありて 椿咲く
で、さらにすすむとまた川岸に出る。その向こうの牧ノ原台地のむこうに雪の富士。いつもの光景。年増の美人だな。近くで見るより遠くからみたほうがいい。上半分しか見えん所なんか、お風呂に半分使っている美女の感じである。ええなあ、ムフフフフ・・・・ うーむ 雅心など、どこかに落としたか。そこで一句
むしゃくしゃと もやもやの先に 富士ひとつ
しかしだ、富士というのはしまつがわるい。 有名になりすぎて、にても焼いても食えん。 どうあつかってもするりと指の間からぬける感じだ。 どう料理しても既視感がついてまわる。 やめた。 というよりも負けた。 それもまたいい。
0 件のコメント:
コメントを投稿