猫はともかく、危ないと言われたあのコダックが破産だという。会社に入った70年代、記録材料の研究をしていたが、そのお手本はコダックやラヴォアジェの弟子の作った会社デゥ・ポンの特許でであった。数十ページにわたる分厚い、そして請求項目が何十と、多い時には百を越え、その一つ一つに実施例がきちんと書かれている。その特許の中味と同時に技術者のレベルに圧倒されてしまった。我々の会社の方針は「質より量」と言うことで、ともかく特許を出したが忸怩たるものがあった。
銀塩フィルムで得た巨大な資金で医薬品を初めとした種々の新規事業分野に投資していたはずだが、一昨日の新聞でその他大勢を既に売却していたと言う。新規事業に経営資源を投入しなければ、赤字事業のままで・・・やがては売却と。
80年代の名経営者といわれたGEのジャック・ウェルチは「選択と集中」という方針で、GEはエレキのメーカーとは様代わりの金融や生保の会社へと変身してしまった(それを真似したのがソニーだろうが・・・)。エジソンも生きていたら驚いたことだろう。これに比べて、コダックは「選択と集中」を余りにも間違いすぎたのだろう。あんな優れた技術者集団がいたのにと・・・。愚かな経営者が会社をつぶすと言う典型的事例の一つなのであろう。そして、これはこの国の年老いた経営者にも十分当てはまることであろう。
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