2012年1月11日水曜日

函館通信168・・・松の内・・・仁兵衛

 正月皆夫々に過ごされた様ですな。私もやっと今日になってこのブログを読むことが出来るまでに来ました。
 暮の30日18時過ぎ89歳の義母が大往生しその後大変な正月になりました。二日に通夜、三日に告別式とどうにかこなし五日に初七日と骨納めを済ませ自宅に戻ったのが九日でした。地方によっては正月は悔みをやらない所があるのでしょうが身内だけで進めました。しかし、結局はその身内だけでも五十人を超えてしまい喪主としては心身共に疲れ果てました。
 
 こんな状況下で猫跨ぎさんの句評をさせて頂きます。これが又気分転換になり何とも云えぬ喜びですな。
・沢庵を提げ日本橋渡りけり ・・・小伝馬町当たりだったかベッタラ市で大根を買っていわき行きのバスに乗るために日本橋を渡って東京駅まで歩いたのを思い出している。
・不定形に無定形に牡蠣盛られ ・・・不定形は良く判るが無定形を加えたのが新鮮に思える。作者の深層が少し見えるような気がする句だ。
・戸棚より鍋ずり落ちて冬至かな・・・ユーモアを感じる句だ。鍋は大きさ順に重ねて置きましょう。
・夜更けには雪になるらし壜に罅・・・下五の壜に罅が何と言っても効いているね。緩やかな自然現象の前半表現を目の前の小さな罅に溶け込ませてしまう手管は上手いとしか言いようが無い。特選。

 それでは負けじに拙い句をそっと載せましょう。
  添書きの中に友居る松の内
  青シート屋根に残りて大旦
  はんぺんの一番に消え寒の空
  まゆ玉や緊急避難指定地区
  長押からじっと見詰る雪の音
  野水仙黄門様の杖の先
  北国の時計の遅し日脚伸ぶ
  文庫本一枚捲りしづりかな
  固い雪固い字のままチェックイン
  寒の入九十歳の骨砕く


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