・枯芝の傾斜夕日の滑り落ち
不思議な視野と焦点をもつ。受験生には禁物
・擦り寄りし猫の頭や冬の雨
愛し合ってるね。
尾道で坂の土塀の上なんぞに猫がのんびり寝そべっていたなあ
・沢庵を提げ日本橋渡りけり
沢庵の匂いまでしてきた。天下の日本橋に沢庵が面白い
・秋冷や無言館に杖倒れ
信州と無言館と秋冷…杖倒れが哀しい
紫陽花に秋冷いたる信濃かな 久女 を思い出した
・不定形に無定形に牡蠣盛られ
殻からもぎとられた牡蠣の実ほどブザマなものはない。ましてや盛り上げたら。
不定形に無定形とまで言われたら、もう喰われるしかないなあ。俳人にかかったら最後なんでも俳句の種になるのだ。
・シクラメンまづオカリナの音合わせ
品がよすぎる。シクラメンの君はなんというか
・戸棚より鍋ずり落ちて冬至かな
夕陽がすべりおちたり、鍋がずり落ちたり受験生には困ったひとだが、この句、冬至の光の乏しいわびしい景が実によくで ている。昭和27年ころを思い出した。何となく寒く何となく腹減っていた。準特選
・かにかくに猫に噛まれしクリスマス
クリスマスプレゼントに愛猫に小指をかまれて喜んでいる。相当に愛し合っている。微笑ましい。
・暖房車すぐ乗客の貌となり
? 寒風のなかタクシーの乗ったら暖房が効いていた?
・夜更けには雪になるらし壜に罅
特選。罅は、ひびと読むんだね。壜に罅か。わびしいなあ。がんばって生きていこう
川柳に 明日の朝目がさめるとは限らない というのがあったけど、また目がさめること信じて生きるのだ
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