2012年1月8日日曜日

宇宙と人間を文学的に表現すると・・・・  褌子

   下に私が紹介した宇宙論を俳句でなくて、井上ひさしが文学的にこんな風に書いているので紹介したい
―――――井上ひさし『きらめく星座』(1985年)からの引用ですが広告文案家(今で言うコピーライター)のこと――――
・・・・  
僕は広告文案家です。
この宇宙には約四千億もの太陽が、星があると申します。それぞれの星が平均10個の惑星を引き連れているとすると、惑星の数は約四兆。その四兆の惑星のなかにこの地球のように、ほどよい気温と豊かな水に恵まれた惑星はいくつあるでしょう。
たぶんいくつもないでしょう。
だからこの宇宙に地球のような水惑星があること自体奇蹟なのです。水惑星だからといって、必ず生命が発生するとは限りません。ところが地球にある時小さな生命が誕生しました。これも奇蹟です。
その小さな生命が限りない試練を経て、人間にまで至ったのも奇蹟です。そしてその人間のなかに、あなたがいるというのも奇蹟です。
こうした何億兆もの奇蹟が積み重なった結果、あなたもわたしも今ここにこうしているのです。
わたしたちがいる、今こうして生きていられるというだけでも奇蹟のなかの奇蹟なのです。
人間は奇蹟そのもの、人間の一挙手一頭足も奇蹟そのもの。
だから人間は生きなければなりません。


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