昭和20年以降我々と同時代の俳句をまとまって読みたいと思っているがあったらどなたか推奨本を教えて下さい。
先日坪内捻典氏の本を話題に出したがもう一つ満足しない。それは金子兜太が捻典氏の句を空っぽな句だと評したという事を聞いたからかもしれない。二人には20歳の年齢差がありその間の歴史の変動が大き過ぎて兜太から見ればそう見えるのではなかろうか。しかし我々は我々の時代を生きる以外にないのだから黙々と句を作り、黙々と人の句を評しながら楽しんでゆきたい。
そして如何に空っぽな時代でも時間は止まらず次から次へと自分の周囲は変ってくる。抵抗したり出来なかったり色々有るが今月も近作十句そっと置いてゆく。
海峡を渡って行きし大花野
錠剤のアルミを抜けて夜長かな
九月場所額の砂の零れけり
蚯蚓鳴く洗ひ終った鍋の底
穴惑ひお薬手帳忘れけり
鳳仙花爆ぜて終らぬ戦後かな
消息の薄くなりつつ石蕗の花
草紅葉三本立ての西部劇
ふかし藷中は今でも戦時中
赤ん坊の曖を出して寒露かな
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