2012年10月8日月曜日

青春の蹉跌と倦怠・・・褌子

「俳句の向こうに昭和が見える」読んでみたくなった。
・春ひとり槍投げて槍に歩み寄る   能村登四郎
この句はいいね。青春のアンニュイがある。
・三島忌の帽子の中のうどんかな
工場つとめのころ食堂で昼飯を食っているときテレビが三島の割腹自殺を報じた。何が起きたのかわからん妙な顔をしてみんなテレビをみていたが、切腹、介錯斬首ときいて血の海をおもって嫌な感じがした。盾の会の制服姿で市ヶ谷の防衛庁のバルコニーからの演説姿が印象に残る。
 三島由紀夫は非常な天才的才能の持ち主だったらしい。私は子供の頃どもったので悩んでいた。高校生のころ吃音僧が放火する『金閣寺』を読んでみたがわからなかった。中年になって『仮面の告白』を読んだがさっぱり面白くなかった。美少年を大きな真っ白い蜘蛛が搦め捕る妄想場面には辟易したものだ。
   いま、加賀乙彦『帰らざる夏』を読んでいる。敗戦による陸軍幼年学校の崩壊のはなし。面白い。

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