2012年10月3日水曜日

単相国家・・・猫跨ぎ

  外交はある意味で握手をしながらテーブルの下では本音の小競り合いをやっている世界だ。日中の間でそのテーブルクロスが外れてまる見えになって、その上握手の手も振り払ってしまったのが今回の事態だろう。どこかで冷静になる事態を待つしかないが、国連の場でドロボー呼ばわりの連呼を聞くと、彼等自身がどこに落とし所を見ようとしているのか皆目分からない。
  当分無理だね。経済や人の動きがグローバル化しもう国境はなくなると一方では言いながら、寸土を巡ってこれだけの大騒ぎになる。色々な分野のものの考え方が既成概念を打ち破る方向にどんどん進んでいるのに、近代国家の版図の概念が一周おくれか二周おくれかで全く昔のままだ。それが大国の中国周辺に集まっているのも困ったものだ。中露だっていつ火が噴くか判らない。ダマンスキー島は懐かしい。確か中国名は珍宝島とか結構な名前だった。今隣国はロシアではないが、ウィグル自治区自体がイスラムの勃興と絡めていつどうなるか。中印国境も今は休戦状態のはず。チベット情勢次第でどうなるか。中国にしてみればどこもそこも居丈高になるしかないということなんだろう。おとなしくしていたら崩壊する。
  しかし、文化交流も一方的に遮断するとはなあ。北京では日本の新聞雑誌はみな没収らしい。あのデモも政府の禁止命令でパタと止んでしまった。実に怖ろしい。こういう単相の視点しか許容しないものの考え方。結局、国内的には強大な治安警察、対外的には軍拡に走って実力で押しまくるという単純な発想しかなりえない。周恩来の深沈とした眼差しが懐かしい。(因みに大江健三郎らは、日清、日露戦争が原因だ。まず日本があやまれと緊急アピールを発表した。デモもするらしい。相変わらずだな。しかし当局の弾圧など起こりようもない。)

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