2012年10月3日水曜日

西域夢物語…国兼

本来なら今頃から9月22日から十日間の敦煌、ウイグル等のシルクロードの旅を思い出しながら、井上靖の「西域物語」を見習った新西域物語的旅日記を書き始めていたはずである。
 所が、9月の5日ごろから何故か言葉が素直に出てこなくなった(俗にいう、ろれつが回らなくなるという)。おかしいなと思って物置から血圧計を探して測ってみたところ、収縮期が180を超えていた。6月の年1回の高齢者健康診断の際には140台であったのに・・・。思い当たることもあって(今年2番目の熱暑日だった8月30日にボランティアでお年寄りの家の草取りを2時間汗だくでやったことである)、お医者に行ってMRIを調べてもらった所、ごく最近発生した脳梗塞の跡があると写真を見せられた。古い小さな薄暗い痕跡と共に、明るい大きな痕跡が見えた。この状態では気圧変化の大きい海外旅行は止めた方が無難です・・・といわれ、ちょうど尖閣問題も大きく浮上し、カミさんも中国旅行に嫌気がさしたようで20%ペナルティーを払って中止にしてしまった。楽しみにしていた西安の兵馬俑、敦煌の莫高窟の仏像やタクラマカン砂漠の裾を走る夜行列車の旅等々もみな夢物語になってしまった。残念としか言いようがない。目下、朝には高血圧と血液サラサラの薬を飲み、朝夕2回の血圧測定と、更に酒とたばこも半分以下に抑え、夜も10時前後には寝るという、実に優等生的生活を送る羽目になってしまった。
 以前、70過ぎたら気ままに、思うように生きようと書いたことがるが、己の劣化モードを目のあたりにすると、不思議なものでもう少し元気な身体でいたいものだと、彼の岸に逝くのはまだ早すぎるのではと欲が出てくる。お釈迦様の言う「我執」とでもいうのかね?これは?

 話変わって、尖閣に関して思うこと。何なのだろうか、この異常な雰囲気は。「実効支配」をし続け、中国船が来たら少しずつ日本の法律にとっとり厳しく法の下で裁いていくという、50年、100年のスパンで発想して欲しいものだ。それを都が買うとか言うおかしな人間のアジテータに揺さぶられて「国有化宣言」、「ヤッタぜベィビー」とほくそえんでいる人間も中に入ることだろう。週刊誌等も昔の清朝時代のイメージから脱却できないのか、「中国何て・・」、「毅然たる行動」をなんていう論調の愚かな事をアレコレと書き立てて煽っている。
 かって、柳条湖事件で中国の力を侮り、泥沼に入りこみ、やがては「中国相手にせず」なんていう向こう見ずの愚かな発言をし、トドノツマリは鬼畜米英と絶叫してアメリカと戦かった歴史を思い出す。戦後「私は騙されていた」という同国人に対し「騙された人間も同罪である」と、伊丹万作は述べていたようだが、同じ歴史の繰り返しをしてはいけない。

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