しばらく湖東の十一面観音さんにご無沙汰だけれど、併せて思い出すのは、この像を守るために当時の農民がとった行動のことだ。向源寺の境内にある土盛り。周りを標縄で囲ってある。兵火を避けるために、穴を掘って像を埋めたその穴の跡だという。他に川に横たえて隠したという像もあって、腕が失われて全体に損壊のあとが著しいが今でも大事に保存されている。この農民の必死の行動は、当時信仰が内発的なものに成熟していた証左だろう。そういう思いの対象であればこそ、今も深沈とした内面性を示すものとして我々のまえにあるのだと思う。今年は冬にでも再会したいものだ。
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