2012年10月10日水曜日

ノーベル賞・・・褌子

   中国と韓国のノーベル賞騒ぎ、そんなこともありましたね。
   アジアでは日本人ばかり受賞がつづいているが、やはりいち早く明治維新で近代統一国家形成に成功、西欧列強の植民地化をまぬがれたことが大きい。
   先日、安井算哲(渋川春海)の映画『天地明察』をみたが、江戸の半ばに正確に日食を予言している。明治に欧米の科学技術の輸入ラッシュがあったが、咀嚼し血肉化していく基盤があった。他のアジア諸国は欧米列強の植民地となり、中国も1840年の阿片戦争以来は半植民地状況、辛亥革命後も不安定、さらに日本の侵略をうけ、新中国建国後も文革などで基礎科学に国力をそそぐゆとりがなかったのではないか。ちなみに戦前の日本も軍事技術偏重で1901年ノーベル賞創設以来、湯川博士の受賞まで半世紀ちかく受賞していない。しかし戦後の平和の時代になってはじめて基礎科学に力をいれてから受賞者が輩出した。
   日本は近年、すぐ利益を生まないと基礎科学予算をどんどん削ってきているから順調に受賞者が輩出するかどうか。いずれ中韓、あるいはインドなどからノーベル賞受賞者がでてくるのではないだろうか。世界の頭脳がアメリカに集中するという現象もいつまでも続くとも思われない。
   文学賞と平和賞は不思議なところがある。なぜ川端康成と大江健三郎なのか、なぜ平和賞が佐藤栄作なのかわからない。科学分野の賞もこれだけ基礎科学が重層化国際化し裾野がかぎりなく広くなってくると、特定個人にだけ授与するのは難しくなる。山中教授もしきりにそのことをいっていた。その謙虚さに好感をもった。

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