2012年3月13日火曜日

記憶違いでした・・・・逸徳

宇宙の底というのは、高村光太郎の「傷をなめる獅子」に出てくるよ。詩集道程の中にある。ちとコピーをはりつける
   傷をなめる獅子  高村光太郎

獅子は傷をなめてゐる。
どこかしらない
ぼうぼうたる
宇宙の底に露出して、
ぎらぎら、ぎらぎら、ぎらぎら、
遠近も無い丹砂の海の片隅、
つんぼのやうな酷熱の
寂寥の空気にまもられ、
子午線下の砦、
とつこつたる岩角の上にどさりとねて、
獅子は傷をなめてゐる。

そのたてがみはヤアヱのびん髪、
巨大な額は無数の紋章、
速力そのものの四肢胴体を今は休めて、
静かなリトムに繰返し、繰返し、
美しくも逞しい左の肩をなめてゐる。

獅子はもう忘れてゐる、
人間の執念ぶかい邪智の深さを。
あの極楽鳥のむれ遊ぶ泉のほとり
神の領たる常緑のオアシスに、
水の誘惑を神から盗んで、
きたならしくもそつと仕かけた
卑怯な、黒い、鋼鉄のわなを。・・・・・以下長いので省略

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