2012年3月12日月曜日

仁ちゃん句を鑑賞・・・褌子

・春の野や宇宙の涯の骨董品
   宇宙のはて。はてね。地球だって向こうからみると宇宙のはてだな。骨董品が唐突。瞬間凝視で焦点をしぼりたい
・宇宙まで塵棄てにゆく木の芽時
   きわめて現代的な句、放射汚染物質を宇宙に捨てる話もある。
   木の芽時がいいね   特選
・春の精踏切板から飛び出して
  なかなかメルヘンチックな結構な情景ですね。いつも函館の暗く垂れ籠めている雪雲をみているとこんな気持ちになるの  もわかります。  
・光より速く走りて四月かな
  光速より高速なニュートリノがみつかったという話は、その後、どうなったのでしょうか。本当に四月の春がまたれる今日こ  の頃であります。
・針の穴するりと抜けて春の海
  なるほど面白い。
・スローバラッド奏でる土偶鳥曇
   バラッドを広辞苑でひいたら「19世紀以降のイギリス・アメリカなどの物語風・感傷的  な大衆歌謡」とありました。渡り   鳥が北に帰る季節なんだね。土偶と鳥雲とスローバラッドと、てんこ盛りだが面白い   
・洋食でも和食でもいいよ春の雲
   そうです。ビールでも日本酒でもどっちでもいいです。
・物を云ふ瓦礫のありて彼岸かな
   まさに大震災の景ですね。
・沈む球異国の空に囀りて
   沈む球とは? 異国の空に囀りて?
・白楊の春まだ浅き轍かな
  白楊は「どろのき=はこやなぎ」マッチの軸は軟材の白楊だそうです。
いい句だね。春が迫ってきた観あり。轍に北海道の匂いがある。むろん白楊にも。   準特選

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