2013年1月14日月曜日

猫跨ぎ句をあじはふ・・・褌子

   きのうはうららかな山歩きだったが、きょうは朝から年末以来何十日ぶりかの雨だ。東京は雪だという。大雪の日に大事件がおきるんだ。赤穂浪士討ち入り。水戸浪士桜田門外の変。そして226事件。対するに逸徳さんの小さい微笑ましい内緒ばなし、いやあ平和っていいねえ。御馳走様です。
猫跨ぎさんの句を鑑賞した。
・全集の埃の上の寒さかな
   埃と寒さはまことに相性がいい。
   全集とは何だろうね。レーニン全集でないことだけは確かなようだが。
   漱石全集かも知れないな。いや鴎外かも。埃がたまっているのだとすると本居宣長全集、いや滝沢馬琴全集、などと詮索する楽しさがある。書斎でなくて古本屋の景かも
・伊勢丹の袋を提げて寒の中
   伊勢丹の袋だとするとどっかの和服姿の初老の上品な奥様かもしれない。
   こういうとりすました金持ちの奥様が、街頭で震災カンパなどしているのをみると心和む
・ふるさとを凍らせ来たる悪寒かな
   なんとなく、鎌倉を驚かしたる余寒かな、を想起した。
   ことしの北海道は寒いらしい。
・冬枯や背表紙割れし大言海
   そうか、背表紙がわれているほど使い込んでいる『大言海』か。
   うちの『大言海』は、40年も茶の間の飾り物化していて新品同様でお恥ずかしい。
   春の雷辞書の天金濁りをり という猫跨ぎ氏の名句を思い出した。
・冬ざれや女はいつも荷物提げ
   年末風景だね。女はみんな頬を赤くしてゴム長に角巻すがた。
   ちらちら雪が舞っている。
・縄文の末裔として海鼠噛む
   特選 こういう句が大好き。なんか嬉しい。生きていて好かったと思う句
・夕ぐれのねむたき巫女の四日かな
   そうだね。喧噪の正月三が日すぎて、巫女さんのやれやれ感がでている。
   準特選
・繭玉に頭撫でられ離郷かな
   正月休みもあっというまに済んだ。また会社へ会社へと民族移動
・明日あると信じるかたち冬帽子
   あったかそうな毛糸の冬帽子だ。いい景だね
・着ぶくれて心たいらに暮らすかな
   安心立命の心境だ。うらやましい。

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