2013年1月13日日曜日

冬季仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

今年の北海道の冬は大変らしいね。寒いし雪も多い。こちらで寒い寒いと言ってもたかが知れているが、そう思いつつ、矢張り寒いと言ってしまう。

・ 真冬日や古希の日通り過ぎてゆく
真冬日に古希の日が通り過ぎてゆく、か。70歳なんて考えもしなかったなあ、本当に。
・ 寒鴉やのあさってに来るといふ
そうね、この辺では「しあさって」というが、北海道は「やのあさって」。とぼけた俳諧味。
・ B型の血管浮び雪女郎
なぜB型なのか、なぜ血管が浮かんでいるのか、考えても詮無いこと。血管が浮かんでるのが自分なのか、雪女郎なのかがはっきりしないが、まあ仁ワールドということで。
・ 日脚伸ぶ物の怪二つ消えにけり
引き続き仁ワールド。
・ 雪しまき叩くと直るラジオかな
実験室で具合のおかしい機器を叩いて直して、「物理療法」といって笑っていたことがなつかしい。真空管からトランジスタに、半導体になって、様変わりしてしまったな。我々の子供には通用しない世界。昭和が匂い立って来る。
・ さりげなくする春寒のおもてなし
春寒という季感は北海道ではどうなんだろうとしばらく考えてみた。余寒よりもっと春めいた頃ね。北海道では余寒からいきなり春本番になる、みたいな。
・ 煙突の昭和の煤や冬雀
煙突掃除屋さんというのが居て、真っ黒になって仕事していた。今なら3Kなんていうんだろうが、当時はなにか威厳があったな。冬雀を配したのがいい。
・ しばれるや回る台座の黒電話
この前も確か黒電話があったけれどまだ身近にあるのかな。昭和だね。
・ 黒猫のぬっと顔出す炬燵かな
この前千葉で、岩合光昭の猫の写真展があった。猫は猫で人間を観察しているね。賢い動物だ。
・ 中継所つぎつぎ倒れ鳥帰る
暴風雪で次々に倒れているのだろうか。白鳥の帰還は未だだろうね。何か心象性を感じ特選。

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