2013年1月12日土曜日

映画・・・褌子

去年の東北旅行の前に読み始めた『火焔―北の燿星アテルイ』は、作者高橋克彦の熱すぎる語り口に疲れて上巻だけで中断している。きのうNHKで『アテルイ伝』がはじまた。面白く見たが、原作でできてしまった頭のなかのイメージとどうも違う。
 今晩はフジテレビで『カラマーゾフの兄弟』の現代日本人版をやるという。ふーむ、あの哲学的な饒舌がえんえんと続く19世紀ロシアの父殺し事件をテーマにした大作をどう描こうとするのか。私は原作は短気なもんで最後まで読み通せず投げ出したままだ。『罪と罰』は原作を最後まで読んだが(原作といっても米川正夫訳)、イギリス映画でみた『罪と罰』は退屈な出来。高利貸しの欲深老婆を殺そうとするラスコリニコフの内面の葛藤が描き切れてない。原作文学と映画の関係はむつかしい。
  黒澤明はドストエフスキー『白痴』を映画化したが、原作も読んでない私には映画『白痴』は難解だった。若き久我美子や原節子、そして三船敏郎、森雅之らがでてくる。『乱』はリア王、『蜘蛛の巣城』はマクベスなどシェークスピア作品からとっている。。『乱』は失敗作だと私もおもった。
  傑作中の傑作『羅生門』はむろん芥川の「藪の中」だが、あの世を呼び出すイタコみたいな女が恐ろしかった。羅生門に捨てられた赤ん坊を育てることを決心する青年僧に救われる。応仁の乱で打ち毀された羅生門にはよく雨が降っていたなあ。『七人の侍』もものすごい雨、雨、土砂降りだった。どろんこになっての死闘。『用心棒』と『椿三十郎』は風だ。風で埃が舞い上がる。いやあ映画って本当にいいねえ

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