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横山秀夫のでたばかりの警察小説『64』を読んだ。現代最新の電子機器を駆使しての誘拐事件捜査の情景が詳細に描かれている。
いっぽう、水上勉の『飢餓海峡』は昭和三十何年の岩内大火がでてくる。小説では岩幌大火を背景に戦後まもなく起きた刑事事件として当時の世相を色濃く描写した語り口。石川達三『人間の壁』も昭和30年代なかば、井上靖『氷壁』三浦綾子『氷点』は昭和30年代末、松本清張『砂の器』は昭和40年ごろが舞台。当時の日本がどんな時代だったか、すぐれた作家によって描写されている。
そんな時代背景を楽しみながら読むのだが、ひさしぶりに横山秀夫『64』や三浦しをん『舟を編む』 貴志祐介『黒い家』などの現代作家を読んでIT時代の小説もまたおもしろいなあと思った。75才のおばあさんが芥川賞をとったとか。70才の女性が読んだら貸してくれるそうだ。楽しみに待っていよう。
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