猫跨ぎ句の荒星にはまいった。国語辞典になくても部厚い歳時記にあるのか。日本語は深いな。はいわかりました。
さて、仁句鑑賞
・雁風呂や湯加減風に聞いてみる
風にきいてみるとは風雅でいい句だな。こういう風呂のお湯はなめらかでやわらかく清らかで芯からあたたまるにちがいない。
特選。
雁風呂について角川歳時記を引くと
「青森県外ケ浜では、春に雁が帰ったあと、海岸の木片を拾い風呂をたてて雁の供養をする習わしがあった。雁は、秋に渡ってくる時海上で羽を休めるための木片をくわえてくるといい、春に帰る時その木片を拾って行くという。残された木片は帰れずに死んだ雁の数ということになり、その雁を供養して村人は風呂を焚くのである」とある。
雁風呂という味わい深い季語を知った。こういうやさしい雁供養をする日本人のひとりに生まれた幸せを思う。
歳時記をひくとこういう例句もあった 雁供養砂の埋れ木焚き添へぬ 新谷ひろ
・支え綱春まで断ちて進水す
進水式を春まで延ばした?
・サッチモのマウスピースや梅一輪
さっても面白き俳句かな
・臥龍梅古き瘡蓋落しけり
梅の古木の樹皮はまさにカサブタのようだ。尾道にも臥龍松がありました。
・水の春湿布斜めに貼られけり
春の水といわずに水の春とひっくり返した。カサブタの次は湿布だな
・双清の軸に響きて猫の恋
双清がわたしにはわからんが有名な書家なんだろうか。季語は、猫の恋、春だし。
楓橋夜泊の軸あわす、と、むかし仁ちゃんが詠んだがあれは寒山寺の張継の詩だったが
・地下鉄に雪像溶けて乗りにけり
たぶん札幌の雪祭りだな
・ポンポン船北窓開く気配かな
どこかね。隅田川か。
・横丁の煙草屋まで来て春一番
春一番が近くまで来た。横町のたばこ屋が庶民的で俳句的な愛嬌があるなあ。
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