2012年2月9日木曜日

GUNS,GERMS,AND STEEL ・・・褌子

 佐渡震度5とテレビがいうので、田舎に電話してみたが、大したことないという。屋根の雪がゴーといっせいに落ちてきたので初めは地震とは思わなかったそうだ。昼間だったら落雪の下敷きになったひとも多かった。それよりも大雪で年寄りは本当に困っているといっていた。千葉はこんなに天気がいいのになあ。
   佐渡の実家の近所にも無住の家が増えている。あと五十年後に日本人口八千三百万、四割が65才以上と発表されている。いがいと落ち着いた日本になっているかもしれないと思うのは幻想か。郷里の実家も集落の家々もすべて廃屋になっている光景を想像するのはさみしいが。いやそうとも限らないかもしれない。   
  それよりも、本屋さんがどんどんつぶれているのはさみしい。町なかの本屋はとっくになくなってしまった。電車のなかではみんな携帯ピコピコやっている。やはり日本は文化亡国へ向かっているのか…
  『銃・病原菌・鉄――一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』を読み出した。むろん和訳本だが。
  とくに興味があるのは、宗教よりも民族の言語の発生。天にまで届くバベルの塔をつくりはじめた人間の傲慢をこらしめるため、神はたくさんの言語をつくり、人間を混乱させたと旧約聖書創世記はいうが。
  旧約聖書はヘブライ語(ユダヤ人の言語)、新約聖書はギリシア語で書いてある。アルファベットを発明したフェニキア人は海洋民族だったが紀元前はるか前に忽然ときえたというが何処へ消えたのか。かつてのフェニキアの地がいまアサドによる大量虐殺がつづいているレバノン山脈西のシリアの地。そのさらに西南にイスラエルがある。ここらへんははじめにロゴスありきの土地なんだ。行ってみたい。
  ロゴスといえば、メルビル『白鯨』の冒頭「語源」の章に、「巨いなるうを=鯨」を13カ国語で表記している。最初はむろんヘブライ語だがうちのPCでは無理、次のギリシア語も面倒。次のラテン語はCETUS。次がアングロ・サクスン語になっていてWHCELでCとEがくっついて一文字になっている。8番目アイスランド語とイギリス語はともにWHALE。最後13番目のエロマンゴア語はPEHEE-NUEE-NUEE・・・・こういうこと書くのは無意味なのでやめにしようと思ったが、エロマンゴア語の訳注(新潮文庫上巻427ページ)を読んで一驚。
  エロマンゴア語=正しくはエロマンガ語(Eromanga)。エロマンガ語を話すEromanga島は南太平洋ニュー・ヘブリデス群島中の一島。住民はカナカ族、現在仏英共同統治下にある。
  ―――――と訳注にある。「正しくは」と書いている訳者田中西二郎先生の困惑ぶりがおもしろい。女性の訳者だともっと困るだろうなあ。こういうところの高校生は◎◎◎◎◎高校卒か。ちょっと困るなあ。逸徳教諭の御見解をおうかがいしたい。ヘブリデスも語感がよくない。 
  (こういう話は、猫跨ぎさんが紹介していた記憶がある)  
  
  

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