2012年2月21日火曜日

きょうはいい天気だが・・・・褌子

   きょうは三月上旬といういい天気になった。
   テレビは妻子を殺害された光市の本村さんの「こんな犯罪がおきたときに私たちはみな敗北したんです」という発言を伝えている。
   さらに、NHKテレビは埼玉で親子三人の餓死事件を詳細に報道。天皇夫妻はこのニュースをみているだろうか。
  さて、天皇制や中川先生の思い出などは、こたつに寝転んではとても書けないので、すこし息抜きしたい。
   『銃・病原菌・鉄』にすこし倦いたので古本屋で『吉村昭の平家物語』、辻井喬『父の肖像』(西武の総帥の父を赤裸々に描いた)、谷崎潤一郎『陰翳礼讃』『少将滋幹の母』、城山三郎『硫黄島に死す』など買ってきた。中学生になった孫には手塚治虫『ブラックジャック』全13巻も。
   山田風太郎『人間臨終図巻』全三巻も買ってしまった。
   古今東西の有名人数百人の臨終模様と、ひととなりを例の博覧強記ぶりで書いている。第一番目が一五才で死んだ八百屋お七。次が大石主税、アンネフランク、森蘭丸、藤村操、天草四郎、山口二矢、ジャンヌダルクとつづく。三巻目のおわりが天海僧都、平櫛田中、大西良慶、いちばん最後が121才の泉重千代。
   むろん、南方熊楠、諸橋轍次もでてくるが、牧野富太郎のところは、自著『牧野日本植物図鑑』の巻頭には、著者の応諾をえずして本書の図を使用する不徳破廉恥の無学漢は姓名を公表する…と激しい「警告」がのっているという。小生が昭和57年に買った『原色牧野植物大図鑑』の彩色について博士の遺族からクレームがついたという事件は、この烈々たる警告文に由来していたのか。ビールビンびんのような大男根の持ち主で精力絶倫だったと余計なことも書いてある。牧野富太郎博士は写真では小柄の風貌を想起するのでビールびん大には吹き出してしまった。呼吸停止からなお一〇分間心臓が動いていたという。
  『人間臨終図巻』のあとがきに山田風太郎は「書物の性質上、とりあげた人物の臨終に実際に立ち合われた方々の文章を多く引用ないし参考にせざるを得ませんでした」と記して関係者に深く謝意を表している。
  博士のもちものはビールびんのようであったとわざわざ誰が書き残したのかな。これには遺族からクレームがでてないから事実だったのだろう。

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