・ 雁風呂や湯加減風に聞いてみる
雁風呂は僻遠の浜辺へ思いを馳せる季語。作者は家の風呂に浸かりながら、外の風音にふと思いを致したのだろうか。
・ 支え綱春まで断ちて進水す
春まで断ちて、が今一意味不明。建造中の船が春までには進水するだろうという意味かな。
・ サッチモのマウスピースや梅一輪
サッチモのトランペットのマウスピース自体よく判らない。特別仕様だったとか。
・ 水の春湿布斜めに貼られけり
・ ポンポン船北窓開く気配かな
春の息吹の二句か。
患部に張られた湿布薬が部位のせいでちょっと斜めになっている。水の春のやや浮き立つ感じと響き合う(かな)。
このポンポン船はやはり函館港。春の息吹となって北窓を叩いたということか。
・ ゼムクリップ挟み損ねて雪の束
・ 地下鉄に雪像溶けて乗りにけり
この二句。降参です。雪の束とは。雪像溶けてとは雪まみれの乗客が乗り込んできた風景かとも。なら、雪像はいささか大袈裟かな。
・ 横丁の煙草屋まで来て春一番
煙草屋まで来て、春一番に遭遇。いつもの日常に感じた春の訪れか。
0 件のコメント:
コメントを投稿